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はじめての RFID スポットチェックの進め方

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TRAKON における RFID スポットチェックの三画面。ロケーションで範囲を決めるウェブのダイアログ、AZH-P1 ハンディで一致・欠品・想定外を数えながら歩く画面、そして想定・読み取り・確認済み・欠品・想定外・カバレッジを示す突き合わせ結果

RFID スポットチェックの手順は四つです。範囲をひと区画に決め、ハンディへ送り、スキャンを走らせたまま歩き、戻ってきた読み取りを台帳の想定と突き合わせる。通路一本なら、歩く部分は数分で終わります。手軽さの正体はそこにあります。

身構えておくべきなのは、そのあとに出てくる結果のほうです。最初の棚卸が測っているのは、じつは在庫ではありません。資産レコードと、タグの貼り位置と、「モノはここにあるはず」という思い込み。この三つを一度に測り、食い違いをカバレッジという一つの数字にまとめて返してきます。組み上げたばかりの仕組みの点検結果として読むなら、初回の棚卸に半日を使う価値は十分にあります。在庫の棚卸として読むと、翌週まるごと、そもそも失われてはいないものを追いかけて過ごすことになります。

スポットチェックは何と何を突き合わせるのか

突き合わせるのは二つのリストだけです。あとは、その二つの引き算にすぎません。

想定のリストは台帳から作られます。選んだ範囲の中にあるとレコードが言っている資産、そのすべて。読み取りのリストは、歩いているあいだにハンディが聞き取った EPC のすべて。二つを比べると、資産は三つのいずれかに落ちます。

カバレッジは、想定のリストのうち確認済みで返ってきた割合です。想定外の読み取りでカバレッジが下がることはありません。これは意図した設計です。想定していなかったタグは、建物についての情報であって、数え損ないではないからです。

開始を押す前に

結果に意味があるかどうかを決めるのは三点で、いずれも歩いたあとより歩く前のほうが安く直ります。

台帳が、モノの居場所を語れること。 範囲はロケーションから組み立てられます。ロケーションが空のレコード、あるいは棚を動かしたあと一度も触られていないレコードは、始める前からすでに欠品です。資産は、資産ページの一括取り込みでまとめて登録できます。取り込む前にその一覧を整える一時間が、このプロジェクトでいちばん利回りの高い一時間になります。

タグが紐付いていて、しかも正しいレコードに紐付いていること。 Count Basic では先に資産を作り、あとからタグを紐付けます。AZD-R1 デスクトップリーダーに載せれば EPC が自動で入るので、通常はその順序です。Zebra RFID プリンターで印刷と紐付けを一つのジョブで済ませる方法もあります。棚に貼っただけで紐付けていないものは、想定外として返ってきます。システムは正直に事実を告げているのですが、これはエラーに見えやすい部類の事実です。

範囲が、実際に歩ける広さであること。 ロケーションは階層になっています。建物から始まり、フロア、ゾーン、棚、ラック、そして最小単位の置き場まで下りていきます。最初のチェックはその下のほうに置きます。通路一本、保管室一つ、ケージ一つ。初日から倉庫全体を範囲にすると、誰も手を付けられない一覧表ができあがります。通路一本なら、帰るまでに答えの出る問いになります。

そのうえで、何をもって終わりとするかを書き出します。誰かがリーダーを手に取る前に、です。「通路を二往復し、それでも欠品のものは担当者名を付けて一覧にする」は終了条件です。「全部見つかるまでやる」は終了条件ではありません。二時間の仕事が静かに一日を食う道筋のほうです。

四つの手順

  1. 範囲を決める。 スポットチェックの画面で新規スポットチェックを押し、名前を付けて、範囲を選びます。ロケーション単位でも、倉庫全体でも構いません。想定のリストはその時点の台帳から作られ、チェックは保留中の状態で待ちます。
  2. ハンディへ送る。 チェックを開いて端末へ送信を押します。AZH-P1 ハンディを選び、担当ユーザーを割り当て、タスクの有効期限を設定します。既定は 24 時間です。早いうちに身につけたい習慣が一つ。ハンディは自分ではタスクを切り替えません。持っている人がタスク一覧を更新し、そのチェックを開く必要があります。
  3. 歩いて読む。 スキャン開始を押して歩きます。読み取りは流れ込みながら、一致・欠品・想定外へ自分で仕分かれていきます。必要と感じるより遅く歩くこと。通路は両側とも通ること。リーダーはまっすぐ前へ向けたままにせず、弧を描くように振ること。一周目で答えないタグは、たいてい電界の届かない角度で寝ています。遠くまで届かせたいとき、逆に絞りたいときのために dBm 単位の出力設定がありますが、最初の期待外れで何もかも上げるより、一度に一つだけ変えるほうが得です。終わったら完了を押すと、結果が同期されます。
  4. 突き合わせる。 ウェブ側でチェックは完了、欠品が残っていれば完了(未完)と表示され、想定・読み取り・確認済み・欠品・想定外・カバレッジの内訳が並びます。絞り込みのできる明細一覧も付きます。
RFID スポットチェックの四つの手順。台帳から範囲を決め、ハンディへ送り、区画を歩いて読み、確認済み・欠品・想定外の三つに突き合わせる

結果を読む、ただし読み過ぎない

区分言えること言えないこと
確認済み今回の走査中、範囲内のリーダーにそのタグが応答した現物が正しい置き場にあること、壊れていないこと、レコードどおりの場所にあること
欠品今回の走査でそのタグが応答しなかった現物が失われたこと
想定外台帳がここに置いていないタグが、ここで応答した誰かが置き間違えたこと。未紐付けの在庫、隣の区画のもの、範囲のすぐ外からの読み取り、どれもあり得ます

カバレッジにも同じ慎重さが要ります。これは買える仕様ではなく、システム全体の性質です。選んだタグ、その貼り位置、部屋の材質、そして歩いた人の歩き方。ハンディのデータシートにある毎秒 1300 枚以上という数字は、条件の良い環境で測った最大値です。鋼製ラックについての約束ではありませんし、最初の棚卸を正直に読むなら、この数字に寄りかかることはありません。

欠品リストの片付け方

欠品が意味することは一つだけです。読めなかった。それ以外はすべて仮説で、確かめるコストの安い順に試す価値があります。

この順番そのものが助言です。捜索が要るのは最後の一つだけ。残りは、データベースの照会か、電話一本か、タグの貼り方を一目見ることで片が付きます。

二周目と、やめどきの見きわめ

同じ通路をもう一度歩けば、一周目が取りこぼしたものの一部はたいてい拾えます。近づく角度が変わり、棚の縁に平らに貼られていたタグが電界をよく見られるようになるからです。確かに拾えるぶんは増えますが、その伸びはすぐ頭打ちになります。

やめる合図は、数字ではなく模様のほうに出ます。一周目と二周目で同じ品が欠品として戻り、しかもその品々に物理的な共通点がある。全部が鋼製、全部が同じ閉じた引き出しの中、全部が同じ山の底。そうであれば、これ以上歩いても変わりません。目の前にあるのは、数える問題の顔をしたタグ付けの問題です。直すのはタグか、そのスペーサーか、貼り位置であって、通路をもう一周することではありません。

二周目は想定外の列も見ておいてください。増えているなら、単に隣のベイまではみ出して、よその棚を読んでいるだけかもしれません。それは発見ではなく、範囲の取り方の教訓です。

残ったものをどうするか

出口は三つあり、どれを選ぶかの判断はあえて人の側に残してあります。

残り分で追加のチェックを作る。 終わりの見えない議論が、独自の範囲を持った短い二回目のタスクに変わります。

個別にロケートする。 欠品の行から一件を選んで実行します。資産一つがハンディへ送られ、信号強度を頼りに近づいていきます。LED を持つタグなら、光を点滅させることもできます。信号強度は巻尺ではなく、たまに嘘をつく方位磁針のように振る舞います。その詳しい歩き方は資産が実際どこにあるのかを扱った記事にあります。

あるいは、単に記録して終える。 ステータスには利用可能、破損、行方不明、喪失、廃止があります。ただし行方不明から喪失へ格上げすることは、金額の付いた判断です。名前のある人間が、書かれた規則に照らして決めるべきものです。何を決めたにせよ、それはレポートに残ります。スポットチェックの履歴、最終確認日つきの資産ごとのカバレッジ、ロケートの履歴。いずれも CSV で書き出せます。これが、ある午後の棚卸を、翌四半期に指し示せる推移へ変えてくれます。

TRAKON ではどう見えるか

最初の棚卸がもたらすいちばん有用なものは、カバレッジの数字ではありません。失敗の形です。分類も部屋もタグの種類もばらばらな欠品リストは、ありふれたデータのずれとして読めます。欠品が全部鋼製で、全部同じラックにあり、全部が同じロールの同じラベルで貼られていたなら、それは物理的な発見です。そしてそれが見えるのは、チェックが合計ではなく EPC を一件ずつ記録しているからにほかなりません。

最初のチェックを、実際に使うつもりのリーダーで、実際に数えるつもりの部屋で、タグを数量で発注する前に走らせる理由がここにあります。Count Basic はハードウェアに無償で付き、資産 200 件とユーザー 3 名までを対象にできます。誰にも稟議を通さずに試せる小ささで、しかも実在の保管室を一つ数えきれる大きさです。もし問題の正体がバーコードで足りる話、あるいは業務手順の話だったなら、それは一週目のうちに分かるほうがよいと考えています。バーコードとの比較は、まさにその瞬間のために書いてあります。最初の在庫データを正しく作ることについては、rfidsolution.comに長めの記事があります。

最初の棚卸を終えたあとに

在庫を測り始めるのは二回目の棚卸です。一回目は、データの手直しにまるごと使われて終わります。それは順序が正しく働いている姿であり、毎週回す小さなチェックが、年に一度の全社一斉棚卸、そのあと二週間もめる方式に勝つ理由でもあります。

範囲は小さく保つ。頻度は退屈なほど一定に保つ。レポートは溜まるに任せる。半年後に誰かが「この仕組みは効いているのか」と聞いてきたとき、手元にあってうれしいのは、調子の良い日に出た見事な一つの数字ではありません。毎回、やろうと説得する必要もないほど安く済ませた棚卸が、ずらりと並んだ記録のほうです。

TRAKON は ACCUZ® Industries が開発し、サポートしています。

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TRAKON は EPC Gen2 UHF タグと ACCUZ® リーダーで動きます。ソフトウェアはハードウェアに付属で無料です。